孫への生前贈与で節税対策!事情が許せば高い効果を得ることができる非課税枠を利用した暦年贈与のメリットと注意点


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  • 孫への生前贈与で節税対策!事情が許せば高い効果を得ることができる非課税枠を利用した暦年贈与のメリットと注意点 2018-06-11

    1、贈与による節税効果は3年経ってから発生する

    相続税の節税対策を考えたときに、その手段のひとつとして生前贈与が挙げられます。
    毎年の贈与には110万円までの非課税枠が設けられており、その範囲内での贈与には贈与税は課されません。
    これを一般に暦年贈与と言います。
    確実かつローリスクで実行可能な対策であるため、導入される方の多い対策のひとつです。
    ※暦年贈与も正しい手順で実行をしないと、課税されてしまう可能性もあります。
    詳しくはこちらのコラムをご参照ください→その贈与、本当に大丈夫?暦年贈与を実施する際の注意点をピックアップ

    しかしこの贈与の弱点として、亡くなる3年前までに相続人に対して贈与した財産は、相続税の計算に加算されてしまいます。
    2年間こつこつ贈与を続けても、3年を経過せずに亡くなってしまうと全く節税効果は生まれません。


    2、孫への贈与なら即時効果発生

    上記の事情から、相続人への暦年贈与は、早い段階から計画的に実施する必要があります。
    しかし、実は相続人以外への贈与に関しては、「3年以内」の縛りがありません。

    例えば下記の様なケースの場合。

    長男、次男は相続人になってしまうため、相続発生前3年以内の贈与は相続財産に加算されます。
    しかし、その子供である、被相続人にとっての孫たちへの贈与は、相続発生直前であったとしても相続財産から外れ、即時相続税の節税効果が発生します。

    気持ちの良い想定ではありませんが、相続発生までにあまり時間がないと思われる場合で、かつ相続税の対策が急務の方には、一代飛ばしで孫へ贈与をする事が方法として挙げられます。

    また、「3年以内」の縛りがないのは孫だけではありません。
    相続人でさえなければよく、例えば下記の様なケースでは、


    法定相続人は配偶者と子1人となり、兄妹姉妹は法定相続人には含まれません。
    そのため、兄弟姉妹への贈与も3年以内の縛りはなくなります。
    また、子供に配偶者がいる場合、その方も縛りなく相続が可能です。


    3、節税効果も高まる孫への贈与

    孫への贈与によって期待できる効果は、「3年縛り」を回避するだけではありません。
    相続税の節税対策としても有効なのです。

    子を飛び越して孫への贈与を行えば、自分の代のみならず、子供の代にとっても節税効果が見込めます。
    実質的に、子の代を飛ばして孫に贈与をすることで、相続税の課税を1回免れることになるのです。


    4、注意点

    孫への贈与でも、「3年縛り」の対象になる場合があります。
    それは、孫が相続人になる場合。

    例えば、遺言で孫が相続財産の相続人に指定されていた場合、孫は相続人となりますので、孫への贈与は3年間さかのぼって相続財産に加算されてしまいます。
    また、住宅資金や教育資金当の一括贈与の特例を使った財産については、3年内加算の対象とならない点も注意が必要です。


    ページ作成日 2018-06-11