老後の安心を考える制度「家族信託」と「任意後見」の違いとは?(1)


不動産・相続コラムの一覧へ戻る
  • 老後の安心を考える制度「家族信託」と「任意後見」の違いとは?(1) 2019-01-21


    先日、 演技派女優の市原悦子(いちはら・えつこ)さんが82歳で亡くなったとのニュース速報を目にしました。直近2年間は休業し、闘病生活をされていたそうです。毎週土曜日の夜に「まんが日本昔ばなし」を観ていた世代としては、非常に残念ではございますが、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

    2年間の闘病生活というとご本人はもちろん、ご家族をはじめとする周りの方々のご苦労も大変なものであったことが想像されます。

    ところで、この2年という時間は長いものなのでしょうか?
    2018年に発表された「平成29年簡易生命表」によりますと、日本の平均寿命は男性81.09歳女性87.26歳となっております。国・地域別では、女性は世界第2位だった一方で、男性は第3位であったとのことですが、いずれにしても世界有数の長寿国であることは間違いなさそうです。
              

                       厚生労働省『平成29年簡易生命表』より

    また、厚生労働省の最新の公表によりますと、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2016年では男性72.14歳女性74.79歳だったそうです。逆に言えば、「日常生活になんらかの制限がある期間が男性で約9年、女性ですと12年以上ある」ということです。

    数年前より、元気なうちに人生の最後に向けた葬儀やお墓のことなど、自分が他界した後のことをあらかじめ考え、準備をする「終活(しゅうかつ)」の注目度が高まっています。
    その中で、遺言を遺し遺産相続において争いを避けようと考える方々が増えてきておりますが、遺言はあくまで亡くなった後のことなので、先述の「日常生活になんらかの制限がある期間」のご本人の意思の反映や親族間の争いの回避はできません。

    「日常生活になんらかの制限がある期間」にさしかかっても安心できる制度として「任意後見」「家族信託」という制度があります。任意後見は、本人の意思判断能力がハッキリしているうちに任意後見契約を締結し、あらかじめ自分の信頼できる方を後見人に選任したり、後見人の職務の範囲を定めたりすることができる制度です。しかし、後見の場合は、本人の財産を維持するという目的で行われるため、積極的な資産運用などには制限があります。

    一方で、家族信託は後見のような制限がなく、広範な財産管理を行うことができます。では家族信託は万能な制度なのでしょうか?

    具体的な家族信託のメリットやデメリット、任意後見との違いは2月4日のコラムで述べさせて頂きますが、うまく利用すれば、超高齢化の今日では誰もが持たれている老後の不安を取り除ける制度ですので、まずは言葉だけでも覚えておいて下さい。
     


    ページ作成日 2019-01-21