皆さんこんにちわ。
京成不動産 資産活用サポート担当の渡邉です。
平成30年税制改正を読み解くシリーズの第三回です。
今回は、一般社団法人関連の改正について取り上げます。
これまでは、一般社団法人の性質から、資産を相続税の課税対象から外す事が可能でした。
今回の税制改正で、一般社団法人を利用した相続税の回避が防がれます。
1、一般社団法人の性質
一般社団法人が株式会社や合同会社と異なる点、それは、株式や持分などの相続財産が発生しないという点です。
株式会社を設立すれば自社株が、合同会社の場合は持分が相続財産となります。
そのため、自身が所有する不動産等の資産を会社の名義に変更したとしても、結局は一定の相続財産が手元に残ることになります。
しかし一般社団法人は、自身が設立しても、自社株や持分のような財産として価値のあるものが発生しません。
一般社団法人を設立し、資産を一般社団法人の名義に移転すれば、その資産は相続財産から外れます。
初回移転時のコストはかかりますが、次代以降については、相続という概念が発生せず、理事が入れ替わるだけで延々と承継していくことが可能です。
その絶大な相続税対策の効果から、一般社団法人は富裕層から注目を浴びていました。
2、税制改正により封じられた相続税逃れ
昨年12月に発表された大綱により、ついにこの相続税対策が封じられました。
その改正内容とは、一定の要件を満たす一般社団法人に個人の資産を移転した後に前所有者が亡くなった場合に、相続税が課税されるというもの。
一定の要件を満たす一般社団法人の事は、税制改正大綱の中では「特定一般社団法人」という言葉で表現されています。
この「特定一般社団法人」とはどのようなものを指すのか。
①役員の数の過半数が亡くなった方の一族
②相続開始前5年以内に、役員の数の過半数が亡くなった方の一族の期間の合計が3年以上
「一族」の範囲には、血族以外にも、亡くなる方本人と特殊の関係がある者(被相続人が会社の役員となっている会社の従業員等)も含まれます。ページ作成日 2018-01-22